奈良県といえば、あの聖徳太子や桓武天皇などといった日本の歴史を作り上げてきた歴史上重要な人々のゆかりの地であり、日本の始まりの地です。
学生時代にはきっと、必ずと言っていいほど奈良で起きた歴史的な変化や、奈良にある歴史的な建造物について学んだのではないでしょうか。
そのように言われるだけあって、奈良県にある世界遺産の数は、日本の都道府県のなかではナンバーワンです!
奈良県には現在、世界的に有名であり、日本の歴史には欠かせない3つの世界遺産が認められています。
それでは、奈良県で絶景が見れる世界遺産3ヶ所についてご紹介させていただきます。
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奈良にある貴重な世界文化遺産3ヶ所とは?
奈良が有する3つの世界遺産の全ては、どれも「世界文化遺産」として認定を受けています。
日本人として、日本の国の歴史を知ることはとても大切なことですし、素晴らしいことですよね。
奈良が有する3つの世界文化遺産は、今も昔も私たちが日本の歴史を知るためには絶対に欠かすことのできない、非常に重要な遺産です。
1.法隆寺地域の仏教建造物
1993年に日本の世界文化遺産に登録された法隆寺地域の仏教建造物は、奈良県生駒・斑鳩(いかるが)に位置しています。
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47もある法隆寺の関連建造物と、三重塔を加えた48もある法起寺(ほうきじ)の関連建造物にて構成されています。
法隆寺、そして聖徳太子。みなさん、一度はその名を耳にしたことがあるでしょうか。
法隆寺は、日本史上の要人であるあの有名な聖徳太子によって建てられた仏教寺院です。
建てられたと推測されるのは西暦607年で、実にその歴史は1410年も前にさかのぼります!
実は法隆寺は670年頃に一度火事により消失していて、現存しているのは再建されたものであることが判明しています。
法隆寺は、聖徳太子が宗祖である聖徳宗の、最も位の高い寺院、つまりは総本山でもあります。
今も昔も、法隆寺は日本と仏教との歩みを語る上では非常に重要な建造物であり、世界遺産に登録されるずっと前から日本が国の宝として守り続けてきました。
かの有名な五重塔などが置かれる西院伽藍と、夢殿が中心になっている東院伽藍とに分かれています。
西院は、現存するものでは世界最古の木造建築としても名高いです。
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世界で最古の建造物が日本にあると思うと、なんだか誇らしく思えますよね。
伽藍(がらん)というのは、僧侶の修行場所や、学習の場などの役割を果たしている建物のことであり、夢殿とは、法隆寺東院の正堂の通称です。
寺の境内に入場すると、五重塔や東大門・南大門などを始め国宝に指定されている大変貴重な仏像などを見物することができますよ!
国宝で溢れている法隆寺という場所を見学できるということは、日本人としてこの上ない贅沢なひと時になることでしょう。
法隆寺の公式ページは「こちら」です。
さて、法隆寺に続いて、法起寺について説明させていただきます!
法隆寺と同じ、聖徳宗の寺院であり、場所も法隆寺から特別離れてはいません。
写真に写っている三重塔が現在では法起寺における最も有名な建造物です。
この法起寺が完成したのは、法隆寺完成から100年ほどたった706年頃であるとされています。
法隆寺ほどの規模もなく、非常にのどかな田畑に囲まれて、静かに佇む三重塔は、長い長い時間、この斑鳩の地に生きる人びとを見守ってきたんだと思うと、自然と心が和みます。
法隆寺からおよそ2.5キロ離れているので、徒歩でいけないこともありませんが、多くの人が自動車やレンタサイクルを推奨しています!
それから、法起寺の周辺は、秋口になると鮮やかで可愛らしいコスモス畑に姿を変えるのですよ!
歴史を感じる三重塔などの建造物と、静かに流れる時間、そしてコスモスや紅葉などの四季折々の美しい自然のコントラストが、他では味わえない感動を与えてくれるという事で、多くの人から人気なのです♪
皆様も是非、日本最古の木造建造物がある法隆寺と法起寺で日本の美しい歴史を感じてみてくださいね。
法起寺の公式ページは「こちら」です。
2.古都奈良の文化財
古都奈良の文化財は、神道や仏教などの日本の宗教的空間の特徴をよく示し、現在も宗教文化を継承し続けていること。そして日本と中国、日本と朝鮮半島との密接な文化的交流の歴史をよく示しているとされる8つの資産から構成されています!
古都奈良は、かつては日本の首都「平安京」として日本の要の地として機能していました。
平安京として都が置かれたのは710年のことであり、その後は74年以上も政治や文化の中心地として栄えた場所なのです。
そんな時代の建造物群が現存しているということは、日本のみに留まらず、世界的に見ても非常に貴重で価値の高いことです。
そういった点も認められて、古都奈良の文化財は1998年に世界遺産に登録されました!
古都奈良の文化財の構成資産の一つ目は、東大寺です。
東大寺は、華厳宗の最も格式高い寺院(大本山)であり、聖武天皇によって建立された立派な寺院です。
奈良県の大仏といえば?という問いに多くの人がイメージする、あの有名な盧遮那仏(るしゃなぶつ)が祀られていることでもよく知られている寺院です!
盧遮那仏は、人々に「奈良の大仏」と呼ばれ親しまれているあの大仏様のことですね。
東大寺は、年間を通して、多くの参拝者の聖地・奈良屈指の観光スポットとして賑わいを見せている寺院です。
東大寺の南大門の付近には、数頭の鹿がいて、訪れる人びとをお迎えしていますよ。
二つ目の構成資産は、768年に創設された、春日大社という神社です。
春日大社は非常に規模の大きな神社であり、日本全国におよそ1000もの春日大社が存在しています!
そして、奈良県奈良市にある春日大社が、それら1000もの神社の総本社というわけなのです。
原始林の穏やかな自然の中に、鮮やかで心惹かれるような朱塗りの社殿がそびえ立っています。神秘的でとても美しいです。
歴史的な神社というのはもちろんのこと、パワースポットとしても有名になって、多くの観光客が訪れています。
春日大社において、鹿は神聖な神の使いだと言われており、そのため春日大社ならではの、鹿に関連するグッズが販売されています!
人気があるのは、木彫りの鹿がおみくじをくわえているとっても愛らしいおみくじで、御本殿で入手可能になっています♪
もし春日神社へ足を運んだ時は、ぜひ春日神社の鹿みくじにトライしてみてはいかがでしょう?いい思い出になりますよ。
構成資産の三つ目は、春日山原始林です。
標高498m面積約250haほどの広大な敷地を持つ、奈良県でもひときわ美しい、東部に位置する原始林です。
奈良の人々から神聖な場所として保護され続けた春日山原始林は、まさに自然の宝箱です!
四季折々、美しい表情を見せてくれますし、動植物たちがゆったりと生命を育んでいます。
もちろん、人も気持ちよく森林浴をするための遊歩道が整備されていますので、春日山原始林を満喫することができます。
遊歩道の入口は、南の入口か北の入口からスタートするのですが、いずれにせよおよそ9.5kmもの道のりになります。
ですから、遊歩道を歩く際は、ハイキング気分で軽い身なりで歩くよりも、軽い登山だと思って備えある格好で歩くことを強くおすすめします。
では、次にご紹介する四つ目の構成資産は、興福寺(こうふくじ)です。
興福寺は、日本の歴史で大きく活躍した藤原氏の祖である、藤原鎌足(ふじわらのかまたり)にゆかりのある寺院です。
あまり鮮やかな外観ではありませんが、かえって和の趣の感じられる寺院ですね。
興福寺にある国宝館には、国宝に指定されているいくつもの貴重な文化財が収められています。
そんな国宝館には、具体的にどのようなものが保存されているのかというと、日本史にあまり詳しくない人でも、一度はどこかで見聞きしたことのある、手が六本の阿修羅像(あしゅらぞう)などが著名です!
この阿修羅像は、怒りの顔だったり、悲しみの顔だったり、見る者の心によって見え方が変わってくると言われているのですよ。
続いて、構成資産五つ目は、元興寺(がんごうじ)です。
元興寺は、十一面観音をご本尊としていることで有名な寺院で、華厳宗の寺院です。
寺院の北方に、かえる石という名の、ズシッとしたカエルのような石があって、パワースポットとして愛されています。
このカエルの様な石は、人々の悩みをなくしてくれると言われ、現在でも7月にこの石を供養するための日が設けられているのです。
確かに、見つめていると愛らしいカエルのように感じられますね。
構成資産の六つめをご紹介いたします!六つ目は、薬師寺(やくしじ)です。
薬師寺は、680年に天武天皇によって造られはじめました。
豪華で鮮やかな大講堂を守るかのようにそびえ立つ東塔と、西塔のバランスがとても美しく、圧倒されるようなゴージャスな寺院です。
薬師寺は、三体のご本尊を有している、ちょっとイレギュラーな寺院です!
薬師寺の三体のご本尊は、薬師三尊像(やくしさんそんぞう)として知られています。
東塔や西塔、大大講堂といい、三体のご本尊様といい、なにかとゴージャスな印象を受ける寺院ですよね。
そして残すところあと二つ、構成資産の七つ目は、唐招提寺(とうしょうだいじ) です。この寺院は、日本の50円切手にもデザインされました!
中国からはるばる日本に渡ってきた僧侶の鑑真によって、759年に建立されました。
薬師寺のすぐ近くにあるので、二つの寺院をあわせて見物できますよ。
唐招提寺の有名な催しに、5月19日に行われる「うちわまき」というものがあります!
午後3時に、1500枚ほどのハート型のうちわが人々にばらまかれます。
歴史の重み感じる、荘厳な雰囲気の寺院で、ハート型の可愛らしいうちわが散乱するさまは、とても面白いですよ♪
最後に、古都奈良の文化財を構成する資産八つ目を紹介いたします。
栄えある八つ目は、平城宮跡(へいじょうきゅうせき) です。
なんと大きな平城京、なんと美し平城京などの語呂合わせで710年といえば平城京というふうに、学生時代に覚えたという方も多いのではないでしょうか。
かつて、奈良の大地に日本の文化の中心となった都、平城京が栄えていました。
現在は、かつての都の名残のほとんどは消えてしまいましたが、朱雀門などの爪痕が残っています。
現在平城宮跡は、とても綺麗に整備された、広い敷地の公園施設となっており、奈良の有名な観光スポットになっています。
無料で入場できる資料館などもあって、ゆったりと平城宮跡で歴史を学ぶこともできますよ。
かつての都に思いを馳せて、ロマンを感じるのもまた素敵ですね。
平城宮跡の公式ページは「こちら」です 。
3.紀伊山地の霊場と参詣道
紀伊山地の霊場と参詣道は、奈良県・三重県・和歌山県にまたがっている三つの霊場を含む参詣道です。
2004年の7月に世界文化遺産として登録されました!
紀伊山地の霊場と参詣道の霊場には、高野山、熊野三山、吉野・大峯の三つの区域が含まれていて、参詣道には、 大峯奥駈道(おおみねおくがけみち) 熊野参詣道 高野山町石道(こうやさんちょういしみち) が含まれています。
古来より、紀伊山地の霊場と参詣道の地域は神々が住んでいる神聖なる場所だと言われていて、今もなお人々から信仰を得ています。
登録されている地域は実に495ヘクタールもの広大な敷地面積を有しています。
紀伊山地の霊場と参詣道の、力強い自然と、神秘的な雰囲気は、まさしく神々が住んでいそうな場所に感じられますよ。
それぞれの参詣道に、異なった雰囲気があるので、ぜひ一生のうちにすべての参詣道を巡って、その素晴らしさを体感していただきたいです。
また「道」が世界遺産として登録されたのは、この紀伊山地の参詣道が二例目であり、世界的に見ても非常に貴重な文化遺産だということがわかります。
古来の人々と変わらない思いで、この先もずっと変わらない美しさを保てるように、大切にしていきたい場所ですよね!
奈良の世界遺産3ヶ所まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は日本人なら知っておきたい奈良の世界遺産3ヶ所についてご紹介させていただきました。
奈良の世界遺産から、日本が古来からどれほど美しい文化を持つ国なのかを、改めて理解することができましたね♪
昔ながらの遺産を守り続けるのはもちろんのこと、昔の人たちが驚くくらい美しい文化を、私たち現代人が築いていけたら尚さら素敵ですね。
ぜひ、奈良県に訪れる機会があれば皆様ご自身の目で、奈良の素晴らしい世界遺産をご覧になってみてください。