インドといえば、仏教やヒンドゥー教など、さまざまな宗教文化を色濃く持って長い歴史を歩んできた国の1つです。
そして、文化的なものを色濃く取り入れられた歴史には、美しい世界遺産は、付き物ではないでしょうか!
そんな期待を裏切ることなく、インドには他の国では決して見ることのできない独自の価値がある世界遺産が数多く存在しています。
現在インドには、世界文化遺産27ヶ所と、世界自然遺産7ヶ所、そして1つの世界複合遺産が登録されています。
それでは、さっそくインドにある世界文化遺産27ヶ所と、世界自然遺産7ヶ所、そして1つの世界複合遺産についてご紹介していきます。
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インドにある魅惑の世界文化遺産27ヶ所とは?
アジアで最も神秘に満ちた文化を持っている国、それはインドではないでしょうか。
というのも、ただ雰囲気やイメージのみでそう言うわけではありません。
インドはアジアの他の国と見比べても、群を抜いて、神秘に満ちたものを強く信仰してきた国だからこそです。
そんなインドだからこそ、素晴らしく神秘に満ちた遺跡がたくさんあるのです!
1.アジャンター石窟群
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アジャンター石窟群は、インドのマハラーシュートラ州北部にある、大小30以上もの石窟から成る遺跡のことです。
これらの石窟は、古代の仏教にゆかりのある素晴らしい遺跡で、550メートル以上の規模にわたって断崖に築かれています。
1814年頃に、イギリス人のジョン・スミスによって発見されました。
それぞれの石窟の中に、とても素晴らしい 仏教に関する壁画などが施されています!
2.エローラ石窟群
エローラ石窟群は、ムンバイの東方のアウランガーバード郊外にある神秘的で素晴らしい遺跡です。
立派な断崖に、34もの石窟が彫られていて、世界的にも有名な石窟になっています。
1983年に、エローラ石窟群は世界文化遺産に登録されました。
3.アーグラ城塞
アーグラ城塞は、ムガル帝国時代の立派な城塞です。1983年に世界遺産となりました。
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赤砂岩で築かれていて、特徴的な赤かっ色が美しいお城です。そのために、赤い城などと称されることもあります。
皇帝アクバルによって1565年に着工され始めて、1573年に完成しました。
4.タージ・マハル
タージ・マハルといえば、インドが誇る世界遺産の中でもかなり有名な建造物ですね。
タージ・マハルは、インドの北部のアーグラという場所に存在しており、インドイスラーム文化の代表的な建造物です。独自の美しさを放つ立派な建物ですね。
1632年に着工されて、1983年に世界遺産となりました。タージ・マハルには、さまざまな逸話が遺されています。
5.コナーラクのスーリヤ寺院
コナーラクのスーリヤ寺院は、ヒンドゥー教において、太陽の神とされているスーリヤを祀るための寺院です。
13世紀、東ガンガ朝時代後期に建造されて、約180m×260mもの敷地面積を有しています。
6.マハーバリプラムの建造物群
マハーバリプラムの建造物群は、マハーバリプラムの海岸と岩山の付近にたくさんの素晴らしい寺院や彫刻などが遺された場所です。
細やかで神聖な彫刻の施された石窟寺院などはとても芸術的で、インド文化に馴染みのない人が見てもその美しさに見とれてしまうはずです。
7.ゴアの教会群と修道院群
ゴアの教会群と修道院群は、インド南部にある港町のゴアに存在している、キリスト教の教会と修道院の遺跡です。
実は、ゴアはもともとポルトガルの領土だったためその街並みも西洋をモデルにして築かれたものでした。
東洋の貴婦人という名で呼ばれる西洋風の街並みがあったゴアですが、いまはその当時の面影を残すのは、教会などの建造物のみになっています。
宗教的にも歴史的にも、とても重要な遺跡として知られています。
8.カジュラーホーの建造物群
カジュラーホーの建造物群とは、インドの首都デリーからおよそ650km近く離れた場所にあるマディヤ・プラデーシュ州にあります。
カジュラーホーは、ジャイナ教やヒンドゥー教に関する寺院やら彫刻などの遺跡群で、パールシュバナータやカンダーリヤ・マハーデーヴァ寺院などが含まれています。
9.ハンピの建造物群
ハンピの建造物群は、ヒンドゥー教のヴィジャヤナガル王国時代に、インドのムンバイに築かれた遺跡群でです。
40以上の遺跡が残されていて、ヴィジャヤナガル王国時代の人々の生活や歴史を読み解く上で非常に大切な場所になっています。
10.ファテープル・シークリー
ファテープル・シークリーは、ムガル帝国第3代皇帝のアクバルという人物によって建てられた場所です!
豪華絢爛な宮廷やモスクなどの遺跡から構成されていて、ムガル帝国の栄華を感じることができます。
ジョーダー・バーイー殿、ディーワーネ・アーム、サリーム・チシュティー廟などから成り立っています。
11.パッタダカルの建造物群
パッタダカルの建造物群は、カルナータカ地域に存在している素晴らしい遺跡です。
宇宙の破壊と創造を司っているとされている、ヒンドゥー教のシヴァ神を祀った9つの寺院から成っていて、6世紀から8世紀の間に建造されました。
独特の石造りの美しさと、ただよう神聖な雰囲気で見応えある場所です。
12.エレファンタ石窟群
エレファンタ石窟群とは、アラビア海に存在するアレファンタ島の中にある石窟群のことです。
主にヒンドゥー教のシヴァ神崇拝の石窟であり、750年代から存在する遺跡もあって、歴史的にも非常に価値のある石窟群です。
13.大チョーラ朝寺院群
大チョーラ朝寺院群は、タンジャーヴール、ブリハディーシュヴァラ寺院、アイラーヴァテーシュヴァラ寺院の3つの寺院から構成されています。
いずれも11世紀から12世紀にかけて存在したチョーラ朝の時代に建てられた寺院で、南インドが誇る世界遺産になっています。
14.サーンチーの仏教建造物群
サーンチーの仏教建造物群は、大乗仏教にゆかりのある寺院や仏塔などの遺跡が見られる壮麗な世界遺産です!
サーンチーは、インド中部地方のラーイセーンにあるのどかな丘陵の村のことです。
「第一塔」・「第二塔」・「第三塔」と呼ばれる3つの仏塔がこのサーンチーに残っています。
15.デリーのフマーユーン廟
デリーのフマーユーン廟は、インドの首都であるデリーにある豪華な遺跡です。
かつてのムガル帝国の第2代皇帝フマーユーンの墓廟であり、イスラーム様式の建築の素晴らしい遺跡で知られています。
4つの区画に分けられた正方形の庭園である四分庭園などの美しい景観を有しています。
16.デリーのクトゥブ・ミナールとその建造物群
デリーのクトゥブ・ミナールとその建造物群は、1200年頃に築かれた重要な遺跡です。
この遺跡を築いたのはクトゥブッディーン・アイバクという人物で、インドの歴史と宗教史において非常に重要な人物でした。
デリーのクトゥブ・ミナールとその建造物群には、クトゥブ・ミナール(ミナレット)とよばれるモスク付属の独特な塔があります。
クトゥブ・ミナールは、世界で最も高いミナレットとしても大変有名です。
17.インドの山岳鉄道群
インドの山岳鉄道群は、その名の通りインドの山岳地帯を走る趣ある鉄道が世界遺産に登録されているものです。
「ダージリン・ヒマラヤ鉄道、ニルギリ山岳鉄道、カールカー=シムラー鉄道」の3つの鉄道が登録されています!
18.ブッダガヤの大菩提寺
ブッダガヤの大菩提寺は、ガヤー県の都市であるブッダガヤに存在する世界遺産です。
日本のみなさんも耳にしたことがある方が多いかもしれませんが、仏教のお釈迦様が悟りを開いた地として有名な場所で、世界中から信者が訪れる八大聖地とされています。
ブッダガヤの大菩提寺は、精巧で芸術的な煉瓦造りの寺院で、インドのみならず世界の宗教史において大変に重要な遺跡です。
19.ビンベットカの岩陰遺跡群
ビンベットカの岩陰遺跡群は、デカン高原のビンディア山脈山麓に位置しているマディア・プラデーシュ州にある岩陰遺跡群です。
岩陰遺跡群というのは、わかりやすくいうと岩のシェルター空間のようなもので、中石器時代から有史時代にかけて、人々がこの岩陰遺跡群で暮らしていたのではないか、と言われています。
総面積は18.93k㎡に及び、四百を超えるシェルターが存在しています。2003年に世界遺産に登録されました!
20.チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅
チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅は、ムンバイにある駅のことです。
この駅はイギリス人の建築家のフレデリック・ウィリアム・スティーヴンスによって手がけられ、西洋のゴシック風の建造物です。
しかし、西洋に存在しているゴシックの建造物とまるっきり同じかというと実はそうではなく、インドの独自の建築様式もただよう造りになっています!
チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅は、まさに、「インドの」素晴らしい建築のひとつです。
21.チャンパネール=パーヴァガドゥ遺跡公園
チャンパネール=パーヴァガドゥ遺跡公園は、4世紀からヒンドゥー教の王国として栄華を誇っていた場所です。
チャンパネール村エリアと パーヴァガドゥ山エリアとにわけられていて、歴史ある寺院とインドの伝統的な街並みが見られる素晴らしい遺跡です。
22.赤い城の建造物群
赤い城の建造物群は、デリーにある城塞で、デリー城ともよばれています。
また、同じインドに先ほどご紹介したアーグラ城塞があり、そちらも赤い城と呼ばれていますのでご注意ください。
インドの歴史の中でとても大切なお城で、1648年に完成しました。
現代では、毎年インドの独立記念日にはこのお城でスピーチが行われています。
23.ジャイプルのジャンタル・マンタル
ジャイプルのジャンタル・マンタルは、インドのジャイプルにたたずむ素晴らしい天文台です。
ジャイ・シング2世たちによって建設され、インドの天文台の中でも最大級の規模を誇っています!
屋外に数多く設置されている、天体観測のための施設や道具の形がまたユニークで訪れる人々を楽しませています。
24.ラージャスターン州の6つの丘陵城砦群
ラージャスターン州の6つの丘陵城砦群は、「アンベール・フォート(ジャイプール),チットールガル・フォート (チットールガル),ガーグローン・フォート (ジャーラーワール),ジャイサルメール・フォート(ジャイサルメール),クンバルガル・フォート(ラージサマンド),ランタンボール・フォート(ランタンボール)」から構成されています。
広大な砂漠地帯に、個性的な6つの丘陵城砦群が見られる光景は近年注目を集めていて、人気の観光スポットに成長しつつあります。
25.グジャラート州パタンのラーニキ・ヴァヴ
グジャラート州パタンのラーニキ・ヴァヴは、女王の階段井戸という、とてもロマンチックで高貴な別称をもつ大きな階段井戸です。
ソランキー朝のビーマデヴァ 1 世のお妃であったウダヤマティが、1050年に創り上げました。
七層にもなる階段井戸はとても壮麗で芸術的で、そして神秘的な光景を見せてくれますよ。
26.ビハール州ナーランダーのナーランダー・マハーヴィハーラ(ナーランダ大学)の考古遺跡
ビハール州ナーランダーのナーランダー・マハーヴィハーラ(ナーランダ大学)の考古遺跡は、427年に創立されたという世界最古の大学であるナーランダ大学の遺跡です。
この地で、本当に多くの人々が仏教などを学びました。
そして、講師はなんと驚くべきお釈迦様その人だったのだとか!
そう言った背景から、この遺跡も、聖地と言われて多くの人々から崇拝されています。
27.ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献
ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献は、20世紀の近代建築運動において多大な影響を及ぼした人物であるル・コルビュジエの作品群のことです。
ドイツ・アルゼンチン・ベルギー・フランス・インド・日本・スイスの7カ国に構成資産が登録されています。
インドにある構成資産は、インドのパンジャブ州の都市のチャンディーガルです。
インドにある神秘的な世界自然遺産7ヶ所とは?
インドでは、とても力強くバイタリティに溢れた大地が自然を豊かにしています。
そうして生まれた奇跡、もしくは恵みともいえる美しい世界自然遺産が存在しています!
現在インドには7ヶ所の世界自然遺産が認められており、そのどれもがとても壮麗で迫力に満ちているんです。
1.カジランガ国立公園
カジランガ国立公園は、インドのアッサム州に存在しています。
総面積は430km²ほどで、湿地帯などの自然保護に長けている国立公園として有名です!
虎やインドサイ、すすきなどの生命体がたくさんこの公園内で生き続けています。
カジランガ国立公園は、おもに4つのエリアに分けられていて、それぞれのエリアごとにしっかりと管理されています。
2.マナス国立公園
マナス国立公園は、トラや像などをはじめとした沢山の動物が保護されている国立公園です。
面積 500km2ほどで、1985年に世界自然遺産として登録されました。
このマナス国立公園がある地域では、雨季になると凄まじい量の雨が降るので、夏は暑くても、生命が水に困ることはありません。
3.ケオラデオ
ケオラデオは、ラージャスターン州にある国立公園で、珍しい鳥類が数多く生息している場所です。
冬季には絶滅危惧種を含む貴重な鳥類がここで越冬するため、インドの一大観光スポットとしても大人気の場所です。
総面積は28.73km2ほどで、1985年に世界自然遺産に登録されました。
4.スンダルバンス国立公園
スンダルバンス国立公園は、西ベンガル州に存在している国立公園です。
1,330.12km2もの広大な面積を誇り、数々の希少な生命体が存在しています!
公園内には、マングローブが密林をなしている湿地帯などがあります。
特に、世界的にも有名な「ベンガルトラ」が生息していることでも大変有名です。
5.ナンダ・デヴィ
ナンダ・デヴィは、同じインドにあるカンチェンジュンガという山に次いで、2番目に高い標高を誇る偉大な山です。
標高7816mにもおよび、かつては登山者が登頂を夢見る非常に険しい山でした。
世界遺産に登録されて以降は、ちょっぴり残念ではありますが、環境保護のために入山は禁止されています。
そして、これほどの偉大さと険しさを誇りつつも「祝福された女神」という意味の、美しく神聖な名を持っています。
6.西ガーツ山脈
西ガーツ山脈は、全長1600kmにもなるとてつもなく広大な山脈であり、そしてこの西ガーツ山脈を1000〜2690mにもよぶ巨大な山々がそびえ立っています。
山脈として見ると、なんとかの有名なヒマラヤ山脈よりも古く長い歴史を持つ山脈であり、インドのさまざまな命の源になっています。
眼を見張るほど美しい自然と、出会ったこともないような偉大な動物たちがたくさん生息している素晴らしい山脈です!
7.大ヒマラヤ国立公園
大ヒマラヤ国立公園は、広大なヒマラヤ山脈の西側を走る山岳エリアで、自然の宝庫となっている場所です。
敷地面積はおよそ90,540haにも及び、その広大な自然が持つすさまじいパワーを人々に魅せています。
インドにある唯一の偉大な世界複合遺産とは?
インドには、これまでご紹介した世界文化遺産と世界自然遺産と同じように、世界に誇れる複合遺産が存在しています!
それはとても偉大なるカンチェンジュンガ国立公園という遺産です。
さて、インドが誇る複合遺産、カンチェンジュンガ国立公園とはどのような遺産なのでしょうか。わくわくしちゃいますね。
1.カンチェンジュンガ国立公園
カンチェンジュンガ国立公園は、インドのシッキム州とネパール東部のメチとの国境にある山々を含む地域が世界遺産とされたものです。
中でも、カンチェンジュンガは標高8,586mにも及ぶモンスターマウンテンです。
その標高の高さに目を疑うかもしれませんが、実際のところカンチェンジュンガは世界で3番目に高い山なのですよ!
お察しの通り、公園とはいえども決して軽い気持ちでは挑めない場所として、昔から偉大な聖なる山として崇拝されてきました。
インドにある世界遺産35ヶ所まとめ
今回は、インドにある魅惑の世界遺産35ヶ所をご紹介させていただきました。
とても神秘的で、圧倒されてしまいそうなインドならではの世界遺産でしたね!
インドの世界遺産は今もなお多くの人々の支え・信仰の対象となっていることに、ロマンと感動を覚えます。
これからも、これらの素晴らしい遺産は護られ続けて、さらに長い歴史を刻むことでしょう。